脳卒中
脳卒中

脳卒中(のうそっちゅう)は「脳血管障害」とも呼ばれ、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳の一部がダメージを受ける病気です。手足のしびれや麻痺、言葉が出にくい、視界の異常、激しい頭痛、意識障害など、突然の症状で日常生活に大きな影響を及ぼします。
日本では寝たきりや重い後遺症の原因としても非常に多く、命に関わるケースも少なくありません。
脳卒中には「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」といったタイプがあり、それぞれ原因や治療法が異なりますが、いずれも早期の診断と対応が非常に重要です。
「片側の手足に力が入らない」「言葉がうまく出てこない」「視界が欠ける」といった症状がある場合は、迷わず医療機関へ早めの受診をおすすめします。
当院では、脳卒中の診断・治療に対応し、発症後の回復や再発予防まで含めた医療を提供しています。
次のような症状が突然あらわれた場合は、脳卒中の可能性があります。迷わず早急に医療機関を受診してください。
これらの症状は一時的に改善することもありますが、「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼ばれる、本格的な脳卒中の前ぶれである可能性があります。
症状が一度おさまっても安心せず、できるだけ早く受診・検査を受け、予防治療などが必要となります。
脳梗塞は、生活習慣病などによって動脈硬化が進行し、血管が細くなったり、脳の血管が血のかたまり(血栓)などで詰まり、血液が届かなくなった部分の脳細胞が壊死してしまう病気です。半身の麻痺や言語障害、視野の欠損、ふらつきなどが突然起こるのが特徴で、重症化すると意識障害や命に関わることもあります。
主な原因は、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病や、動脈硬化、心房細動などの不整脈です。血液がドロドロになったり、血管が硬く狭くなることで血栓が生じやすくなり、脳の血管が詰まることで発症します。
脳梗塞の予防には、生活習慣病の適切な管理が最も重要です。血圧・血糖・脂質のコントロールを行い、禁煙・節酒・適度な運動・バランスの良い食事を心がけましょう。心房細動がある場合は、抗凝固療法による血栓予防も効果的です。早期の受診や定期検査も再発予防につながります。
脳梗塞は発症から治療までの時間が非常に重要です。血管内治療(カテーテルによる血栓除去回収)が有効なケースもあります。
診断にはMRIやMRAなどの画像検査を行い、詰まりの部位・範囲を正確に把握します。再発予防のために、生活習慣の改善や抗血小板薬・抗凝固薬による内服治療も行います。
脳出血は、脳内の血管が破れて脳実質内に出血が起こる病気です。大脳・小脳・脳幹といった部位に出血が起こると、血腫(出血によってできた塊)が周囲の脳を圧迫し、意識障害・手足の麻痺・感覚障害・頭痛・嘔吐などが急激に現れます。
最も多い原因は高血圧です。長期間コントロールされない高血圧によって血管壁が脆くなり、突然破裂して出血が起こります。その他、動脈硬化、脳動脈瘤などの血管病変の破裂、血液疾患、抗凝固薬の服用などが関係する場合もあります。
脳出血の予防には、何よりも血圧管理が重要です。日頃から定期的に血圧を測定し、必要に応じて適切な治療を受けましょう。減塩や適度な運動、禁煙、ストレスの軽減なども有効です。生活習慣を整えることで、血管への負担を減らすことができます。
CT検査で出血部位・範囲を迅速に確認します。軽症の場合は血圧コントロール・脳浮腫の抑制・止血剤投与などの内科的治療を行い、出血量が多い場合や脳圧が高い場合には、血腫を除去する外科手術が検討されます。再出血や脳の腫れを防ぐため、早期の治療と慎重な経過観察が重要です。
くも膜下出血は、脳を覆うくも膜と軟膜の間にあるくも膜下腔に出血が起こる病気です。「今までに経験したことのないような激しい頭痛」が突然出現するのが典型的な症状で、意識障害を伴うこともあります。命に関わる危険性が非常に高い疾患です。
多くは脳動脈瘤(血管にできたこぶ)の破裂が主な原因です。そのほか、外傷や脳動静脈奇形などが関係している場合もあります。
くも膜下出血の予防には、脳動脈瘤の早期発見と生活習慣の見直しが重要です。高血圧や喫煙は動脈瘤の破裂リスクを高めるため、これらの管理を徹底しましょう。定期的な脳ドックやMRI検査も予防に役立ちます。
CTやMRIで出血の有無を確認し、脳血管造影によって原因となる動脈瘤の位置を特定します。破裂した脳動脈瘤に対しては、再出血を防ぐためにクリッピング術などの外科的治療やコイル塞栓術などの血管内治療が行われます。再出血や脳血管攣縮などの合併症管理も重要です。
脳動脈瘤は、脳の血管の一部が風船のように膨らんだ状態を指します。未破裂の状態では自覚症状がないことも多いですが、破裂するとくも膜下出血を起こし、重篤な状態となります。
先天的な血管の脆弱性に加え、高血圧や動脈硬化、喫煙、加齢などが影響すると考えられています。経年的に徐々に動脈瘤が大きくなることもあります。
脳動脈瘤は未破裂の段階で見つけることが重要です。高血圧や喫煙は破裂リスクを高めるため、生活習慣の改善と定期的な画像検査が予防の基本となります。
MRIやMRA、脳ドックで偶然見つかるケースもあります。大きさ・形・部位、年齢や全身状態を踏まえ、経過観察とする場合と、破裂予防のためにクリッピング術などの外科的治療やコイル塞栓術などの血管内治療が行われます。早期発見と適切な対応が、破裂による重症化を防ぐ鍵となります。
脳動静脈奇形は、脳内で動脈と静脈が正常な毛細血管を介さずに直接つながってしまっている先天的な血管異常です。この異常な血管のかたまりにより、出血やてんかん発作、神経症状を引き起こすことがあります。
多くは先天的(生まれつき)のもので、後天的な要因は少ないとされています。
生活習慣による予防は困難ですが、定期的な画像検査や医師による経過観察が出血の予防に重要です。異常が見つかった場合は、リスクを踏まえた計画的な治療が検討されます。
MRIや脳血管造影で正確な位置と大きさ、血流の特徴を把握し、治療方針を決定します。外科的切除術、血管内治療(塞栓術)、放射線治療(ガンマナイフなど)が組み合わされる場合があります。症状や出血のリスク、年齢などを考慮して個別に治療方針を立てることが重要です。
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