脳腫瘍
脳腫瘍

脳腫瘍は、頭蓋骨の内部に発生するあらゆる腫瘍の総称です。発生する部位は多岐にわたり、大脳・小脳といった脳そのもの(脳実質)のほか、脳を包む髄膜、脳から出る脳神経、さらに下垂体や松果体といった内分泌器官からも発生します。
脳腫瘍は近年、画像診断技術の進歩や高齢化の影響などにより発見数が増加傾向にあります。
腫瘍は大きく分けて「悪性腫瘍」と、「良性腫瘍」に分類されます。脳腫瘍は悪性か良性かにかかわらず、早期発見と適切な診断・治療が非常に重要です。
脳腫瘍は、初期には自覚症状が乏しい場合もありますが、腫瘍の大きさや発生部位によって、さまざまな神経症状が現れることがあります。
次のような症状が続く場合は、脳腫瘍の可能性があるため、早めの受診・検査が重要です。
これらの症状は、腫瘍の発生部位によって現れ方が異なり、初期には「なんとなく調子が悪い」「年齢のせい」と見過ごされることもあります。脳腫瘍は、早期に発見すれば治療の選択肢が広がり、予後の改善にもつながります。
脳腫瘍を放置すると、腫瘍の成長に伴ってさまざまな神経症状が進行し、生活の質(QOL)が大きく損なわれる可能性があります。代表的な症状は以下の通りです。
特に悪性腫瘍は短期間で急速に進行することがあり、生命に関わる場合もあります。
一方で、良性腫瘍であっても長期間放置すると、腫瘍の増大によって脳や神経への圧迫が強くなり、手術や治療のリスクが高まったり、後遺症が残る可能性があります。
症状が軽かったり、自覚症状がないからといって放置せず、早めの受診・精密検査が大切です。
定期的な脳ドック・MRI検査で早期発見を
脳腫瘍は初期には自覚症状が出にくく、発見が遅れると治療が難しくなることがあります。
40歳以上の方や家族に脳疾患の既往がある方は、脳ドックやMRI・MRA検査を定期的に受けることが最も重要な予防策です。特に良性腫瘍は、検査で偶然見つかるケースが多く、早期発見によって安全かつ適切な治療につなげられます。
生活習慣への配慮
高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病は脳の健康状態に影響します。普段から健康管理を行うことも、腫瘍が見つかった際の進行リスクや治療リスクの軽減につながります。
頭痛や視覚異常などの症状を放置しない
慢性的な頭痛、視力・視野の異常、手足のしびれ、言葉の出にくさ、けいれん発作などは、脳腫瘍のサインであることがあります。
「疲れのせい」「年齢のせい」と決めつけず、気になる症状があれば早めに脳神経外科を受診することが、最も現実的で効果的な予防につながります。
脳腫瘍の診断では、画像検査を中心とした精密な評価が行われます。
これらの検査を組み合わせることで、腫瘍の種類・進行度・周囲との関係を詳細に把握し、最適な治療方針を立てていきます。
脳腫瘍診断の基本となる検査で、腫瘍の大きさ・位置・境界・性状などを高精細に評価できます。造影剤を用いることで腫瘍と周囲組織の違いをより明確に描出できます。
骨との位置関係、石灰化の有無、腫瘍による骨の変化などの把握に有用です。MRIが行えない場合の代替検査としても用いられます。
腫瘍の血流の特徴や脳血管との関係を調べるために行う場合があります。手術計画にも役立ちます。
腫瘍の性質を正確に診断するため、場合によっては手術または針生検で組織を採取し、病理診断を行います。
脳腫瘍の治療は、腫瘍の種類・良悪性・部位・大きさ・症状の有無・患者様の年齢や全身状態などを総合的に判断して決定します。主な治療法は次の通りです。
腫瘍を摘出し、症状の軽減や病状のコントロールを図ります。良性腫瘍では全摘出によって治癒が期待できる場合もあります。悪性腫瘍では可能な範囲で摘出し、その後の補助療法へとつなげます。
手術で取りきれなかった腫瘍や手術が難しい部位に対して行い、腫瘍の増殖を抑える目的で用います。定位放射線治療(ガンマナイフなど)では、周囲組織へのダメージを最小限に抑えながら高精度な照射が可能です。
悪性腫瘍や一部の腫瘍に対しては、抗がん剤や分子標的薬を併用することがあります。病理診断の結果に基づいて最適な薬剤を選択します。
良性で小さい腫瘍や症状がない場合、定期的な画像検査で経過をみる場合もあります。無理に治療を行わず、進行の有無を慎重に見極めます。
初診・問診
症状の経過、既往歴、生活背景などを詳しく伺い、必要な検査を提案します。
画像検査・診断
MRI・CTなどを行い、腫瘍の有無や位置、性質を評価します。必要に応じて造影検査や生検を実施します。
治療方針の決定
腫瘍の種類や進行度、全身状態を踏まえ、手術・放射線・薬物療法・経過観察のいずれか、または複数を組み合わせた治療計画を立てます。患者様・ご家族と丁寧に相談しながら決定します。
治療実施
専門の医療チーム(脳神経外科・放射線科・腫瘍内科など)が連携し、安全かつ効果的な治療を進めます。
治療後の経過観察・再発予防
治療後は定期的な画像検査と診察を行い、再発や新たな腫瘍の有無を確認します。特に悪性腫瘍の場合は、長期的なフォローアップが重要です。
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