頭部外傷
頭部外傷

転倒や交通事故、スポーツ中の衝突など、頭に強い衝撃を受けると、脳やその周囲の血管・膜に損傷が生じることがあります。外見上は大きなケガがなくても、時間が経ってから症状が現れることもあり、注意が必要です。
頭部外傷には、脳の組織が直接損傷する「脳挫傷」、衝撃によって血管が破れ血液がたまる「急性硬膜下血腫」や「硬膜外血腫」、数週間〜数か月後に症状が出る「慢性硬膜下血腫」などがあります。
なかには命に関わるものや、発症初期は症状が軽くても数時間〜数日後に急激に悪化するケースもあります。少しでも不安がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。
脳挫傷は、頭部に強い衝撃が加わった際に、脳の組織そのものが直接損傷を受け、脳内に出血や腫れ(浮腫)が生じる状態です。損傷した部位によって、意識障害、手足の麻痺、言語障害、けいれん発作など、さまざまな神経症状が現れます。
発症直後は症状が軽くても、時間の経過とともに脳の腫れや出血が進行し、急激に状態が悪化することがあります。特に受傷から数時間〜1日以内に症状が進むケースがあるため、経過観察と画像検査が非常に重要です。
治療は、症状や出血・腫れの程度によって異なり、軽症の場合は安静・経過観察で改善することもありますが、重症の場合は手術によって血腫や腫脹を除去し、脳への圧迫を減らす処置が必要となることもあります。
急性硬膜下血腫や外血腫は、頭部への強い衝撃によって脳を覆う膜(硬膜)の下や外側の血管が損傷し、短時間のうちに大量の出血が起こる状態です。出血によって脳が強く圧迫され、数時間以内に意識障害や神経症状が進行することがあるため、迅速な診断と治療が必要となる非常に危険な外傷です。
特徴的なのは、「受傷直後に一時的に意識が回復した後、時間をおいて急激に悪化する」ケース(いわゆるルシッドインターバル)があることです。外見上は傷が小さくても、頭蓋内では出血が進んでいる可能性があるため注意が必要です。
治療は、緊急手術で血腫を除去し、脳への圧迫を解除する処置が中心となります。発見と対応が遅れると、後遺症が残るリスクや、命に関わる危険性が高まります。
慢性硬膜下血腫は、比較的軽い頭部打撲や転倒などをきっかけに、1〜3か月以上経ってから、硬膜の下に少しずつ血液がたまり、脳を圧迫する病気です。高齢者に多く見られ、打撲の自覚がないまま進行することもあります。
初期は、頭痛や軽いふらつきなどあいまいな症状から始まり、時間をかけて徐々に神経症状が進行していきます。放置すると、手足の麻痺や言語障害、認知機能の低下、歩行障害などが目立つようになり、生活機能に影響を及ぼすことがあります。
診断はCT検査で比較的容易に行うことができ、治療は血腫を排出する手術(穿頭洗浄術)を行うことで、多くの場合は症状の改善が期待できます。早期発見・早期治療により、軽度のうちに短期入院で対応できることも少なくありません。
問診・診察
受傷の経緯や症状の経過を丁寧に伺い、神経学的診察を行います。
画像検査(CT・MRI)
頭蓋内の出血や脳損傷の有無を確認します。特に急性の外傷ではCTを迅速に行うことが重要です。
診断・治療方針の決定
症状や画像所見に応じて、経過観察・入院・手術の必要性を判断します。
治療・経過観察
軽症の場合は経過観察や内服治療で自然吸収することもありますが、血腫が大きい場合や意識障害がある場合は外科的治療(穿頭洗浄術など)が行われます。
外見上問題がなくても、数時間〜数日後に症状が悪化する場合があります。特に高齢者や抗血栓薬を内服中の方は注意が必要です。早めの受診をおすすめします。
軽度であれば内服治療で自然吸収することもありますが、多くの場合は血液を排出する手術で改善が見込めます。早期発見で治療も比較的低侵襲に行えます。
意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない、けいれんがある、片側の手足に力が入らないといった症状がある場合は、すぐに救急受診が必要です。
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